大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)3860号 判決

原審において所論の現行犯人逮捕手続書、差押調書及び買上書の取調をするに当つて検察官がこれを順次展示朗読して裁判官に提出したこと、及び右各書類がいずれも証拠書類に属し、これが取調をするについては朗読の方式によるべきことは所論のとおりであるが、元来証拠書類の取調の方法として朗読の方式によるべきことを定めたのは、その証拠となるべき書面の意義を法廷に顕出すると共に相手方にこれを知悉せしめ、その防禦に遺漏なきことを期したのに外ならないのであるから右書類を朗読する外これを展示したことは、いささかも被告人に不利益を生ぜしめないし、むしろ丁重な手続によりその書面の意義を十分に知り且つ理解し得る機会を与えられたものというべきである。即ち刑事訴訟法第三百五条の規定は証拠書類の取調をするについて必要な限度の方式として朗読すべきことを定めたものと解すべきであるから原審において前記書類を検察官が展示朗読したことは何ら証拠調の方式に反したものということはできない。

論旨は理由がない。

同第二点について。

原審第一回公判において所論弁解録取書及び供述調書が検察官により順次展示朗読せられた上裁判官に提出せられ、訴訟記録に編綴されたことは原審第一回公判調書の記載に徴し明らかであつて、訴訟記録によれば右弁解録取書及び供述調書はいずれも被告人の供述を録取した司法警察員作成にかかるものであることは疑なきところである。しかして右各書類は書面の意義のみが証拠となるものであり、その状態又は存在が証拠となるものではないからいわゆる証拠書類に属し証拠物でないことは明らかであつて、これが証拠調については展示朗読の方法によるもその証拠調手続を違法となすものでないことは論旨第一点につき説示したとおりであるから原判決には所論のような違法は存しない。

論旨は理由がない。

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